新任刑事 下巻

逃亡犯・渡部美彌子の時効完成まで、既に1か月を切った。上内亜梨子巡査部長は、同期かつ部下の原田貢巡査長と、不本意ながらも乾坤一擲の賭けに出る、が……


逃げる女と追う女。ふたりが最接近したとき、運命は前者に微笑んだ。逃げる女は、追う女のまさに眼前でするりと「消えた」。まるで全てを読み切って、彼女をもてあそぶかのように……だから亜梨子は誓った。「刑事の誇り」に懸けて、美彌子の首級はこの手で挙げると。だがそのために必要なのは、自分の刑事としての、女としての成長だけではなく……後輩の、新入りの成長も欠かせない。自分のことだけ考えていればいい時季は、終わったのだ。


著者のひとこと


新たに後輩なり部下なりを持つ、というのもひとつの課題であり挑戦だと思います。「新任巡査」に続き、育てる側にも御注目いただけると嬉しいです。しかしこの巻のカバー、ものすごい昭和レトロですね。

新潮文庫

発売日
2020.4.1