- 1月
- 天帝のはしたなき果実(講談社ノベルス)
- 5月
- 敲翼同惜少年春(講談社『メフィスト』)
- 6月
- 天帝のつかわせる御矢(講談社ノベルス)
- 10月
- 天帝の愛でたまう孤島(講談社ノベルス)
第35回メフィスト賞により作家デビュー。
病状の悪化その他のため、受賞後にデビュー辞退を願い出るも、病棟までいらして説得を重ねてくださった担当Kさんの熱意と励ましにより、辞退を辞退。
『果実』上梓が足掛け3年遅れました。スミマセン……
天帝シリーズは、ノベルス黄金時代の黄昏あるいは残光のなか、「殺人の凶器になる」と当時ナチュラルに評されていた「レンガ本」として出版されました。
またデビュー作品『果実』もそのような時代背景のなか、今では論外の「金オビ」が用意されました。
バブル華やかなりし頃、あるいはその残り火が暖かかった頃は、ノベルスのロゴマークの色が、要望によりカスタマイズできました。
しかしさすがに「テーマカラーの白、紫、ピンクを犬の肩に差してほしい」なる意味不明な要望は、一蹴されました。
『御矢』のオビは竹本健治先生、『孤島』のオビはなんと魔夜峰央先生と超豪華。
奇書を継ぐ者として、お読みいただけただけで嬉しく、また、魔夜先生からOKを頂戴したときは担当さんと躍り上がってよろこびました(魔夜先生の韻は鳥肌ものです)。
- 1月
- 憶昔帝国全盛日(講談社『メフィスト』)
- 4月
- 探偵小説のためのエチュード「水剋火」(講談社ノベルス)
- 5月
- 請君為人用心聴(講談社『メフィスト』)
- 7月
- 探偵小説のためのヴァリエイション「土剋水」(講談社ノベルス)
第2シリーズ「探偵小説シリーズ」のタイトルにあっては、エチュードはそのまま習作を意味し、他のヴァリエイション、ノスタルジア、インヴェンション、ゴシックは全て吹奏楽の曲名からとっています。
- 1月
- 夜猫應覺月光寒(講談社『メフィスト』)
- 2月
- 天帝のみぎわなる鳳翔(講談社ノベルス)
- 6月
- 探偵小説のためのノスタルジア「木剋土」(講談社ノベルス)
- 9月
- 探偵小説のためのインヴェンション 「金剋木」(講談社ノベルス)
- 1月
- 探偵小説のためのゴシック「火剋金」(講談社ノベルス)
- 12月
- 群衆リドル Yの悲劇 ’93(光文社)
「長い廊下がある家」――詩人・有栖川有栖(雑誌『小説宝石』)
師匠のお心配りにより、光文社さんから「悲劇シリーズ」を上梓。
担当のSさんは今現在までずっと続くパートナーで、きっと
御退職まで交代なしでしょう。約1年の空白ののち、お客様が熱狂的に新刊をよろこんでくださったのが本当に意外で嬉しくて……
- 5月
- 命に三つの鐘が鳴る Wの悲劇 ’75(光文社)
- 10月
- 天帝のはしたなき果実・新訳(幻冬舎文庫)
天帝のあまかける墓姫(幻冬舎)
師匠と光文社Sさんの応援が続くなか、幻冬舎のMさんが嬉しくも「天帝シリーズ文庫化」に手を挙げてくれました。
また、天帝新作品も出せることとなりました。
天帝の顔ともいえるusiさんのイラストは、著者ながらほれぼれします。
- 1月
- 絶海ジェイル Kの悲劇 ’94(光文社)
- 3月
- 外田警部、カシオペアに乗る(雑誌『ジャーロ』)
- 6月
- 天帝のつかわせる御矢・新訳(幻冬舎文庫)
- 8月
- 復活 ポロネーズ 第五十六番(新潮社)
- 11月
- 外田警部、のぞみ号に乗る(雑誌『ジャーロ』)
- 12月
- セーラー服と黙示録(角川書店)
AMX-004 キュベレイ(雑誌『ユリイカ』)
新潮社の文芸担当Oさんとの出会いは、吉祥寺のお寿司屋さんです。
またこの年、KADOKAWAの担当Kさんがいわばチームに加わってくれて、作家古野もどうにか軌道に乗り始めました。
もちろん師匠やSさんの力添えあってのことです。
- 3月
- 消えたロザリオ(雑誌『小説屋sari-sari』)
天帝のやどりなれ華館(幻冬舎) - 4月
- 外田警部、あずさ2号に乗る(雑誌『ジャーロ』)
- 6月
- パダム・パダム Eの悲劇 ’80(光文社)
- 7月
- 外田警部、市内線に乗る(雑誌『ジャーロ』)
- 8月
- 群衆リドル Yの悲劇 ’93(光文社文庫)
- 10月
- 背徳のぐるりよざ(角川書店)
あらわれた悪魔 (雑誌『小説屋sari-sari』)
穴井戸栄子、本屋にゆく(非売品) - 11月
- 外田警部、カシオペアに乗る(光文社)
KADOKAWAさんの作品では、九条キヨ先生のイラストがとても美麗です。
私はイラストを描いてくださる先生方にはとても恵まれていて、浅見なつ先生、清原紘先生、爽々先生の作品など、著者の本文より絶対に価値があると思っています。
- 1月
- セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿(角川書店)
絶海ジェイル Kの悲劇 ’94(光文社文庫) - 2月
- 天帝の愛でたまう孤島・新訳(幻冬舎文庫)
- 3月
- とらわれた吸血鬼(雑誌『小説屋sari-sari』)
- 8月
- 六億九、五八七万円を取り返せ同盟!!(新潮社)
- 10月
- その孤島の名は、虚 (KADOKAWA)
- 12月
- 外田警部、TGVに乗る(光文社)
天帝のみぎわなる鳳翔・新訳(幻冬舎文庫)
この年、師匠や、いつしか大勢になっていた各社担当さん方のお支えあって、警察官僚の職を辞し、専業作家になりました。
時まさに底なしの出版不況。
先々の見透しもお仕事の行く末もまるで風任せの船出でしたが、私はある条件が満たされれば絶対に職を辞すると決めていました。
- 1月
- ねらわれた女学校(雑誌『小説屋sari-sari』)
- 5月
- 身元不明(ジェーン・ドゥ) 特殊殺人対策官 箱﨑ひかり(講談社)
- 6月
- 命に三つの鐘が鳴る 埼玉中央署新任警部補・二条実房(光文社文庫)
- 7月
- パダム・パダム 京都府警平安署新任署長・二条実房(光文社文庫)
- 8月
- ストリート・クリスマス Xの悲劇 ’85(光文社)
- 9月
- 監殺 警務部警務課SG班(KADOKAWA)
セーラー服と黙示録(角川文庫) - 11月
- ヒクイドリ(幻冬舎)
デビュー担当さんが元のセクションに復帰されたことにより、また、師匠がたの強力なバックアップのお陰で、この年、講談社さんとのお仕事を再開できました。
今も単行本・文庫でとてもお世話になっています。
さもなくば生まれなかったお気に入りの本格も。
- 1月
- ぐるりよざ殺人事件(角川文庫)
- 2月
- 新任巡査(新潮社)
- 3月
- 残念な警察官(光文社新書)
女子高生たちが、校舎から出るに及んで(雑誌『小説屋sari-sari』) - 4月
- 臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族(講談社タイガ)
おんみょう紅茶屋らぷさん1(メディアワークス文庫) - 8月
- 池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟Ⅰ・Ⅱ(新潮文庫)
- 9月
- ねらわれた女学校(角川文庫)
ホルン吹きの休日(雑誌『小説屋sari-sari』)
私の代表作品あるいは代表シリーズともいえる「新任」が始まりました。
これ実は、天帝と同じかあるいはそれ以上の枚数なんです。
時代からして、このようなワガママな原稿は、本にはまずならないのですが……二つ返事でノーカット、しかも重版までしてくれたOさんには脱帽です。
私の作品としては「普通に読める」「カンタンに読める」などなど、あらゆる意味で異色のお店もの、『おんみょう紅茶屋らぷさん』。
同じKADOKAWAさんでも文芸さんとはまた違うチームの方とお仕事をすることで、いろいろな勉強ができました。
- 1月
- 臨床真実士ユイカの論理 ABX殺人事件 (講談社タイガ)
おんみょう紅茶屋らぷさん2(メディアワークス文庫) - 2月
- 島津今日子の図書館(雑誌『小説屋sari-sari』)
- 3月
- 警察手帳(新潮新書)
禁じられたジュリエット(講談社) - 5月
- 新任刑事(新潮社)
- 8月
- セーラー服とシャーロキエンヌ 穴井戸栄子の華麗なる事件簿(角川文庫)
- 9月
- R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫)
文化会館の殺人――Dのディスパリシオン(講談社タイガ『謎の館へようこそ 白』収録) - 11月
- 全日本探偵道コンクール セーラー服と黙示録(角川文庫)
- 12月
- 天帝のみはるかす桜火(講談社ノベルス)
身元不明 特殊殺人対策官 箱﨑ひかり(講談社文庫)
なんとビックリ10周年です。
3年で消える、3冊で消える、デビュー作品で消えるとそれはもう叩かれに叩かれまくったもので、10年書き続けられたことは真実嬉しく、また衝撃的でした。
お客様、師匠がた、各社担当さんのおちからです。
10周年だから10冊出そう、などと安直に考えた結果、病人の癖してフル稼動以上の過酷な年となりました(自分の選択ですが)。
トークイベント、講演会、サイン会、書店さん回り等々と出張も多く、年末に事故を起こしましたが、公約は守れたほか、貴重な出会いや経験に恵まれました。
新潮文庫nexさんに講談社タイガさん、あるいは新潮新書さんと、お仕事の幅が広がった年です。
この年は『ジュリエット』の年
でもあり、だから思い入れもひとしおですが、とりわけ新潮さんの文芸Oさん、文庫Oさん、新書Mさんとはやたらお会いした気がします。
- 2月
- おんみょう紅茶屋らぷさん3(メディアワークス文庫)
- 4月
- R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACT Ⅱ(新潮文庫)
- 6月
- 警察官白書(新潮新書)
- 9月
- R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室 ACT Ⅲ(新潮文庫)
- 10月
- ヒクイドリ 警察庁図書館(幻冬舎文庫)
- 12月
- 女警(KADOKAWA)
- 1月
- 終末少女 AXIA girls(光文社)
- 2月
- 新任巡査 上巻・下巻(新潮文庫)
- 3月
- 警察用語の基礎知識 事件・組織・隠語がわかる!!(幻冬社新書)
- 5月
- 陰陽少女 On-myo girl(講談社文庫)
- 10月
- 時を壊した彼女 7月7日は7度ある(講談社)
- 11月
- 老警(KADOKAWA)
師匠のデビュー作品『月光ゲーム』に捧げた本格、『終末少女』は私の本格のうち著者が納得している作品のひとつです。
といって、爽々先生のイラストあっての本ですが(ポスターまで作らせていただきました)。
- 1月
- オニキス 公爵令嬢刑事・西有栖宮綾子(新潮文庫)
- 4月
- 新任刑事 上巻・下巻(新潮文庫)
- 5月
- 新任警視(新潮社)
- 6月
- その孤島の名は、虚(きょ)(角川文庫)
- 9月
- オニキスⅡ 公爵令嬢刑事・西有栖宮綾子(新潮文庫)
禁じられたジュリエット Juliette et Juliettes Pour Toujours(講談社文庫)
警察の階級(幻冬舎新書) - 12月
- 警察官の出世と人事(光文社新書)
『果実』と『新任警視』は、まるで違う筆致で綴られていますが、実は双子の姉妹あるいはコインの表裏のようなものです。
また、実は後者の方が枚数が多く……これまた文句ひとつ言わずノーカットで出してくれたOさんは、すごい。
- 2月
- 監殺(角川文庫)
- 5月
- 叶うならば殺してほしい(講談社)
- 7月
- 征服少女 AXIS girls(光文社)
- 9月
- 事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ(幻冬舎新書)
- 10月
- 職務質問(新潮新書)
- 11月
- 陰陽少女 妖刀村正殺人事件(講談社文庫)
- 12月
- 女警(角川文庫)
紀伊國屋書店新宿本店さんは、学生だった私が30年前から通い、作家となってからは晴れがましいサイン会・トークイベントを開催できた、大きな御贔屓様のうちの一店。
本年は、この日本を代表する老舗さんから、作家人生初の「週間ベストセラー1位」を頂戴することができました。
邯鄲枕のひと刹那ですが、総理就任の月の『岸田ビジョン』を抑えて1位、また形式的には東野先生を上回っているのが、どこかじんわりくる珍稀なワンショットです。(@KinoShinjuku/Twitter御提供)
- 1月
- ロジカ・ドラマチカ──春の章(雑誌『ジャーロ』)
- 3月
- ロジカ・ドラマチカ──夏の章(雑誌『ジャーロ』)
- 4月
- 警察官僚(祥伝社新書)
- 7月
- ロジカ・ドラマチカ──秋の章(雑誌『ジャーロ』)
- 8月
- 老警(角川文庫)
- 10月
- 侵略少女 EXIL girls(光文社)
総刊行点数85
単行本29 文庫37 ノベルス10 新書9
総作品数83
長編55 短編19 ノンフィクション9
- 2023.1
- ロジカ・ドラマチカ──冬の章(雑誌『ジャーロ』)
- 2023.3
- 公安警察(祥伝社新書)
- 2023.4
- 新任警視 上巻・下巻(新潮文庫)
- 2023.5
- ロジカ・ドラマチカ Logica Drammatica(光文社)