日本警察に請われロンドン警視庁からやってきた、メアリ・アレクサンドラ・綾子・ディズレーリ警視正。彼女はずばり、名探偵だ。
英国ビーコンズフィールド公爵家と、日本の西有栖宮家。その双方の血統を継ぐひとり娘が、実は日本の姓を持たない「綾子警視正」である。彼女は今日も警察庁長官の懇願を受け、自家用機で全国警察にむかう……逆賊警察官が引き起こす、不埒な警察不祥事を捜査するために。そして彼女の美とカネと権力、とりわけオニキスの瞳の前では、いかなる謎もトリックも無力だ。これは、有閑貴族警察官の道楽として探偵をする令嬢の、愛と謀略の物語である。
著者のひとこと
私は模倣から始めますので、むろんこれはダウントン・アビー、富豪刑事そして水戸黄門ですね……ただ改めて並べてみると、著者もビックリの組合せというか闇鍋ですが。トーンとしてはガチリアルというよりユーモアで、しかも短編3本構成ですので、お気軽に読んでいただけると思います。
新潮文庫
- 発売日
- 2020.1.1