その孤島の名は、虚(きょ)

必ず帰る。部活仲間全員で、必ず吉祥寺に帰る。そう誓った24名の少女らはしかし、とうとう互いに殺し合う道を選ぶのだった。

オズの魔法使いよろしく、不思議な竜巻に高校校舎ごと飛ばされた女子生徒20余名。やがて彼女らは、自分たちが空間ごと閉ざされた未知の孤島に漂着したことを知る。どうすれば出られるのか。どうすれば帰れるのか。iウイルスなる島の謎を懸命に解こうとする少女らはしかし、この孤島の悪意によって仲間を殺され、あるいは行方不明にされ……極限状況に追い込まれた彼女らは、やはり孤島の悪意によって分裂し、互いの絶滅を期して殺人を犯し、はたまた戦争を仕掛けてゆくが。


著者のひとこと

文庫版特典として、著者あとがきと、サイエンスライターの竹内薫さんによる素敵な解説を収録しています。あと英題〈THE WONDERFUL WIZARD OF HERS〉は若干英語に無理があるかなと思いつつ、引き続き本作品の英題。とまれ、『禁じられたジュリエット』『終末少女』のプロトタイプといえる、私らしいノンシリーズ本格だと思っています(サバイバル小説でありながら、むろん犯人当てがあります)。なお登場人物のパート・陣営はイニシアルでカンタンに識別できます。

KADOKAWA

発売日
2020.6.25