「新任警視」文庫上下巻 ありがたくも発売1か月で3刷となりました

2023年5月2日

新型コロナの後遺症(いわゆるブレインフォグ)ゆえ既に文筆の第一線から退いたところ、本日、冬瓜づくりの隠居には過ぎた快報がとどきました。

世捨て人が僥倖にはしゃぐなど破廉恥の極みですが、ただ実際論として、重版なり3刷なりは著者の果報ではございません。まさかです。本を売ることにつき、著者自身が講じうる手立てなどほとんど無いからです。

これすべてお客様、書店さま、解説の先生、担当くん、版元さんのおちから。

ましてこの御時世、「新任警視」もの枚数・価格そして上下巻なるスタイルで、かくも迅速に版を重ねられているのは、私のごとき小身の作家にはありえざる椿事です。

担当くんによれば、古くからのお客様もさることながら、新しいお客様が全国でお買い求めくださっているとのこと。

よって、はしゃぐどころかある種の戦慄と恐懼とを感じつつ、令和5年2月22日付け「文庫版あとがき」のとおり、今一度みなさまに御礼申し上げるとともに、よりいっそうの御愛顧を賜りたく深く頭を垂れ、身に余る重刻の御挨拶とさせていただきます。(了)